大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(オ)657 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士猪俣浩三、同伊藤和夫の上告理由について。

原判決は、事実の部において上告人の提出援用にかかる証拠として所論乙第六号

証及び証人Dの証言を掲げた上、理由の部において所論の点に関し「その他の証拠

によつても右控訴人の主張を認めるに足る証拠はない。」と説示しているのである

から、右書証、人証についても自ら言及しているわけである。そしてこのように証

拠を採用しない場合にその採用しない理由を特に明らかにしなければならない筋合

があるわけのものではない。所論判例はこの場合の先例として適切のものとは認め

られない。その他所論は証人Eの証言の信用性につきるる述べているが、証拠の評

価、判断は事実認定裁判所たる原審の専権に属するところであるから、当審におい

て今更これをかれこれ論議し得べき限りではない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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